「決算のときしか棚卸しをしていないので、毎月の粗利率が当てにならない」――商品販売業や工事業では、こうした状態が非常に多く見られます。税務上は決算時だけで足りますが、棚卸しをしないということは、いちばん大切な粗利を管理しないということです。本記事では、月次棚卸しをどう始めてどう定着させるか、そして工事業のように仕掛がある業種で何をすべきかを、税理士の実務目線で解説します。

この記事の結論:月次棚卸しは、いきなり「毎月やりましょう」と始めるとほとんどの場合実行できないか、反発を受けます。先にやるべきは、棚卸しを管轄している上長との話し合い――なぜ棚卸しが必要なのか、しなかったら何が起こるのかのすり合わせです。そのうえで①金額が大きいところだけ四半期に1回 ②回数を増やす ③精度と方法を磨く ④毎月に乗せるの順で進めます。工事業のように仕掛がある業種では、売上と経費を工事ごとに分けること、そして支払先に工事ごとに請求書を分けてもらうことが要になります。

なぜ毎月の棚卸しが必要なのか

月次棚卸しの対象となる中小企業の在庫倉庫
在庫が動く会社では、棚卸しをしない月の粗利率に意味はない

棚卸しは経理の作業だと思われがちですが、実際には粗利管理の起点です。ここが動いていないと、毎月の試算表に出てくる粗利率は、経営判断に使える数字になりません。

棚卸しをしないことは、粗利率を見ないことに等しい

商品販売業や工事業で棚卸しをしていない状態は、絶対に避けたい状態です。理由は単純で、棚卸しをしなければ、その月に仕入れた金額がそのまま原価に計上されるためです。実際にはまだ在庫として倉庫に残っている分まで原価に入るので、仕入れの多い月は原価率が跳ね上がり、少ない月は下がります。つまり、棚卸しをしないということは、いちばん大切な粗利を管理しないということです。粗利率は、値決め・仕入交渉・人の配置・投資判断のすべての土台になる数字です。その土台が毎月ぶれている状態で経営判断をしていることになります。税務上は決算のときに実施していれば問題がないため、多くの会社がそこで止まってしまいますが、税務の要請と経営の要請は別のものです。

気づくのが決算だと、打てる手が残っていない

もう一つの問題は、気づくタイミングです。期中はなんとなく順調に見えていたのに、決算整理で在庫を確定させた途端に粗利が大きく動く。それまでの月次で計上していた原価が一気に修正され、想定していた利益と着地が大きく変わることがあります。この段階で分かっても、打てる手はほとんど残っていません。決算の3ヶ月前に気づいていれば取れた対策も、決算後では次期の話になり、銀行に提出する決算書の中身もそこで確定してしまいます。棚卸しを月次に乗せることは、粗利のズレに早く気づき、打ち手の選択肢を残すための仕組みだと考えたほうが実態に近いです。なお、毎月の棚卸しをしていても原価率が合わない場合は、棚卸し以外の原因(会計上の原価項目と社内の原価計算の範囲がずれている、社内の単価表が古い等)が絡んでいます。その探し方は下記の記事で整理しています。

「毎月やろう」で失敗する3つの原因

現場で在庫数量をタブレットに記録する担当者
棚卸しは現場が動かなければ回らない。だから進め方の設計が要る

月次棚卸しの必要性を理解した経営者が次に取る行動は、たいてい「来月から毎月やろう」という号令です。ところが、これはほぼ確実に失敗します。原因は3つあります。

原因1:決算に1回のものを、いきなり毎月にしようとする

いちばん多い失敗がこれです。決算時期に年1回しかしていない棚卸しを、突然毎月にしようとすると、ほとんどの場合実行できないか、反発を受けます。現場から見れば、棚卸しは通常業務に上乗せされる作業です。年に1回でも負担のある作業を12倍にすると言われれば、抵抗が起きるのは当然です。しかも多くの場合、経営者は「なぜ必要か」を説明せずに号令だけを出しています。結果として、形だけの棚卸表が上がってくるか、初月で止まるかのどちらかになります。目標(毎月)を最初から実践させないことが、実は最短のルートです。

原因2:棚卸しの意義が、管轄している上長と共有されていない

2つ目は、話をする相手と順番の問題です。棚卸しを実際に動かすのは、在庫や現場を管轄している上長です。ここを飛ばして号令だけを出すと、作業は現場に降りません。先にやるべきなのは、その上長との話し合い――「なぜ棚卸しが必要なのか」「しなかったら何が起こるのか」という意義と意味のすり合わせです。粗利率が正しく出ないことで会社がどんな判断を誤るのか、逆に正しく出れば現場のどの努力が数字として見えるようになるのか。ここが共有できると、棚卸しは「押しつけられた作業」から「自分たちの成果を見えるようにする作業」に変わります。前に進めるという観点では、意味と意義を伝えることが技術的な手順よりも先です。

原因3:棚卸しのやり方が、昔のまま更新されていない

3つ目は、方法そのものが現状に合っていないケースです。実際に月次で棚卸しを始めると、多くの会社で次のようなことが判明します。評価する単価が定まっていない。やっているつもりでも、ちゃんと数えられていない。昔に比べて新たな在庫や副産物が生まれているのに、棚卸しの方法が昔のままになっている。ここで重要なのは、これを現場の怠慢と捉えないことです。ほとんどの会社は、棚卸しのやり方について財務的なアドバイスを受けたことがありません。誰にも教わらないまま、先代のやり方を引き継いでいるだけという状態です。仕入価格が動いている局面では、評価単価の古さがそのまま粗利のズレになります。経済産業省・中小企業庁の調査(2026年3月時点)でも、コスト要素別の価格転嫁率は原材料費55.7%、労務費50.0%にとどまっており、上昇したコストのおよそ半分は自社が負担しているのが実情です。仕入単価が動いているのに評価単価が据え置かれていれば、棚卸しをしていても粗利率は合いません。

(出典)経済産業省・中小企業庁「価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査の結果を公表します」

▶ 関連コラム:原価率が合わない|社内管理と決算のズレ(棚卸し以外に原価率が狂う原因と、その探し方)

監修税理士 塩谷宣弘の見解

私が現場で最初にお伝えしているのは、決算のときに1回しかしていない棚卸しを、突然「毎月やりましょう」と言うと、ほとんど実行できませんということです。だから先に、棚卸しを管轄している上長と、なぜ棚卸しが必要なのか、しなかったら何が起こるのかを話し合います。そしてもう一つ申し上げたいのは、ほとんどの会社は、棚卸しのやり方について財務的なアドバイスを受けたことがないということです。やり方が悪いのではなく、誰にも教わっていないだけです。棚卸しがされていないなら、今日からでもやってほしい。それが社長を救うことになります。

✅ 自己診断:あなたの会社はいくつ当てはまりますか?

  • 棚卸しは決算のときだけで、毎月はしていない
  • 月ごとの粗利率が5ポイント以上振れることがある
  • 在庫を評価するときの単価を、1年以上見直していない
  • 棚卸しのやり方(数え方・対象範囲)を、先代から変えていない
  • 取り扱う商品や副産物が増えたのに、棚卸表の様式は昔のまま
  • 仕掛中の工事・案件の売上と原価を、月次で分けていない
  • 棚卸しについて、会計事務所から具体的な助言を受けたことがない

3つ以上当てはまる場合、毎月の粗利率が経営判断に使えない状態になっている可能性があります。

月次棚卸しを定着させる4つのステップ

棚卸しの進め方を現場の担当者と打ち合わせる場面
「できる状態」を先に作り、そこから範囲と回数を広げていく

月次棚卸しは、段階を踏めば必ず定着します。大切なのは、いきなり完成形を目指さず「棚卸しができる」という状態を先に作ることです。順番は次のとおりです。

  1. 棚卸しを管轄している上長と、意義と意味をすり合わせる(なぜ必要か/しないと何が起こるか)
  2. 金額が大きいところだけ、まず3ヶ月に1回(四半期)やってみる
  3. 回数を少しずつ増やす(四半期 → 隔月 → 毎月)
  4. 精度と方法をブラッシュアップする(評価単価・数え方・対象範囲)
  5. 毎月に乗せ、粗利率の推移を毎月と累計の両方で見る

ステップ1:上長と意義をすり合わせてから始める

最初にやるのは作業設計ではなく、話し合いです。棚卸しを管轄している上長に対して、「なぜ棚卸しが必要なのか」「しなかったら何が起こるのか」を伝え、納得を得ます。ここで話すべきは会計上の理屈ではなく、経営上の帰結です。粗利率が正しく出ないままだと、値決めを誤る、仕入交渉の材料が持てない、頑張って改善した成果が数字に表れない――こうした具体的な不都合を共有します。逆に、正しく出るようになれば、現場の改善努力がそのまま粗利率の改善として見えるようになります。棚卸しは、現場の努力を可視化する仕組みでもあるという位置づけを共有できるかどうかが、その後の定着を分けます。

ステップ2:金額が大きいところだけ、四半期に1回から始める

次に、対象と頻度を絞ります。全品目を毎月数えるのは、多くの会社にとって現実的ではありません。まずは金額の大きいところだけ、3ヶ月に1回(四半期)やってみます。ここで狙うのは精度ではなく、「棚卸しができた」という実績です。金額の大きい品目に絞る理由は明快で、粗利率への影響が大きい順に手をつけたほうが、少ない労力で効果が見えるからです。期間を区切る、商品を絞る。この2つの制約を最初に入れることで、現場が「これならできる」と感じられる形になります。いきなり目標を実践させないことが、遠回りに見えていちばん早い道です。

ステップ3:回数を増やし、精度と方法を磨く

四半期の棚卸しが回り始めたら、回数を少しずつ増やします。同時に、精度と方法をブラッシュアップしていきます。実務でよく手直しが必要になるのは、評価単価の設定、数え方のルール、対象範囲(新しく増えた在庫や副産物が入っているか)の3点です。ここで一つ注意点があります。ただ数字を取っているだけでは、利益率は安定しません。棚卸しを始めたのに粗利率が落ち着かないのであれば、それは棚卸しの精度ややり方が違っているというサインです。数えているのに合わない状態を放置せず、「合わない」を原因を探す入口として使うことが、この段階の要になります。

ステップ4:毎月に乗せ、粗利率の推移を見る

最後に、毎月の月次に乗せます。ここまで来ると、粗利率の推移が明確に見えるようになります。単月の粗利率は季節変動や案件の進捗で必ず動くため、毎月の推移と累計の両方で見ることが大切です。累計で見ると、振れをならした実力値が分かります。そして月次に乗せて粗利を見たときに「全然違うぞ」となれば、それは何らかの誤りがあるということなので、原因を解明していきます。粗利率が実力値として見えるようになって初めて、値上げ・仕入交渉・人の配置といった打ち手を根拠を持って選べるようになります。自社の売上原価や棚卸資産の水準が、同じ業種・同じ規模の中でどのあたりに位置するのかは、公的な統計でも確認できます。

(出典)業種別・規模別の売上原価や棚卸資産の水準は財務省「法人企業統計調査」、中小企業の経営実態はe-Stat「中小企業実態基本調査」で確認できます。

監修税理士 塩谷宣弘の見解

進め方として私がお勧めしているのは、金額が大きいところだけ、まず3ヶ月に1回やってみることです。そこから回数を少しずつ増やし、精度と方法をブラッシュアップしていく。最終的に毎月できるようになると、粗利率の推移が明確に見えるようになります。一つ気をつけていただきたいのは、ただ数字を取っているだけでは利益率は安定しないということです。棚卸しをしているのに粗利率が落ち着かないなら、それは棚卸しの精度・やり方が違っているサインなので、そこを一緒に直していきます。

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工事業など仕掛がある業種の実務ポイント

工事ごとの原価と粗利を経営者と税理士が毎月確認する場面
仕掛がある業種では、工事ごとに売上と原価を分けることが出発点になる

工事業のように仕掛がある業種では、棚卸しの重要度がさらに上がります。ここは実務の具体性がそのまま結果を左右するため、詳しく整理します。

なぜ仕掛がある業種で棚卸しが必須になるのか

顧問を引き継いだ直後に、こういう会話がよく起こります。「今月はすごく粗利が悪いですね」――調べてみると、翌期に売上が上がる工事の原価を、今月まとめて支払っていたというだけの話でした。売上はまだ立っていないのに原価だけが計上されているので、その月の粗利率には意味がありません。卸売業と違い、工事業は単価が一定ではなく、工事ごとに粗利や原価率が変わります。そこを管理していないと、原価率の観点から業務改善をする機会がほぼ生まれません。チェック機能も改善機能も動きにくい構造になってしまうのです。だからこそ、完成工事基準のもとで月次時点で完成していない工事の売上と原価を棚卸しする仕組みが必要になります。

やることはたった1つ:売上と経費を工事ごとに分ける

やるべきことは、実はシンプルです。売上と経費を、工事ごとに分ける。これだけです。工事ごとに分かれていれば、その工事が完成しているかどうかで売上と原価を対応させられるので、月次の粗利率が実態を映すようになります。逆に、工事が混ざったまま材料費・外注費・労務費が計上されていると、どれだけ丁寧に集計しても粗利率は動きません。工事ごとに分ける――この1点が、仕掛のある業種における粗利管理のすべての前提になります。難しいのは考え方ではなく、これを実際の伝票と請求書のレベルで実現することです。

最重要は「支払先に協力してもらうこと」

そして、いちばん大事なのがここです。工事ごとに分けるためには、支払先に協力してもらう必要があります。具体的には、工事ごとに請求書を分けてもらうこと。それが難しい場合は、請求書の鏡(表紙・1枚目)に工事ごとの合計額を記載してもらい、中身を見ればどの工事のものか分かる状態にしてもらうことです。ここで押さえておきたいのは、時間がかかることを前提に設計するという点です。「来月から現場ごとに請求書をください」とお願いして、それが伝わるまでに1ヶ月。翌月に全部そろうと思わないほうがよく、実際には一部は対応してくれても、全部は無理です。残りをもう一度お願いする――この繰り返しを織り込んだスケジュールで進めます。急がば回れではなく、最初から数ヶ月かかるものとして計画するほうが、途中で挫折しません。

始めた月に、ほぼ必ず起きる3つのこと

月次棚卸しを始めた最初の月には、次の3つがほぼ必ず出てきます。①在庫を評価する単価が定まっていない ②やっているつもりでも、ちゃんと数えられていない ③昔に比べて新たな在庫・副産物が生まれているのに、棚卸しの方法が昔のままになっている。これは失敗ではなく、これまで見えていなかった課題が可視化されただけです。ここで慌てて完璧を目指すのではなく、単価を決める、数え方のルールを決める、対象範囲を更新する、という順に一つずつ潰していきます。私たちは顧問先と毎月、試算表を挟んで「粗利率が計画とどれだけズレたか」「そのズレは棚卸しの精度なのか、単価なのか、案件の進捗なのか」「次の1ヶ月で棚卸しの範囲をどこまで広げるか」を1時間ほど議論しています。数字の報告を受ける時間ではなく、次の一手を決める時間として使っていただくためです。

▶ 関連コラム:運転資金の適正水準|利益が残らない理由(棚卸しで見えた在庫が、そのまま資金繰りの論点になる)

▶ 関連コラム:月次決算の活用法|経営判断に変える型(正しく出た粗利を、毎月の判断に変える議論の進め方)

監修税理士 塩谷宣弘の見解

工事業でいちばん大事なのは、支払先に協力してもらうことです。工事ごとに請求書を分けてもらう。分けられないなら、請求書の鏡に工事ごとの合計額を書いていただいて、中身を見ればどの工事か分かる状態にしてもらいます。ただ、これは時間がかかることを前提に考えてください。「来月から現場ごとにください」とお願いして1ヶ月。翌月に全部そろうとは思わないほうがよくて、一部は対応してくれますが、全部は無理です。だから残りをもう一度お願いします。私はこの繰り返しを最初から計画に入れてお伝えしています。

ここまでが、月次棚卸しを始めるうえでどの会社にも共通する進め方です。ここから先は、御社の在庫の品目構成・金額の偏り・仕掛の有無と、いまの棚卸表の様式を見ないと、「どこから・どの頻度で始めるべきか」は決められません。また工事業のように支払先の協力が必要な場合は、どの取引先から依頼するかによって、立ち上がりまでの月数が変わります。

月次棚卸しに関するよくある質問

全品目を毎月数えるのは無理です。どこから始めればいいですか?

金額の大きいところだけ、まず3ヶ月に1回から始めてください。粗利率への影響が大きい品目から手をつけたほうが、少ない労力で効果が見えます。最初の目的は精度ではなく「棚卸しができる」という状態を作ることです。そこから回数を増やし、精度と方法を磨いて、最終的に毎月に乗せます。全品目・毎月を最初から目指すと、ほとんどの場合そこで止まってしまいます。

現場から反発が出ます。どう説明すればいいですか?

号令ではなく、棚卸しを管轄している上長との話し合いから始めます。伝えるべきは会計上の理屈ではなく、「なぜ必要なのか」「しなかったら何が起こるのか」です。粗利率が正しく出ないと値決めを誤る、逆に正しく出れば現場の改善努力が数字として見えるようになる――こうした経営上の帰結を共有できると、押しつけられた作業ではなくなります。意味と意義を伝えることが、手順よりも先です。

毎月やっているのに、粗利率が安定しません。なぜですか?

棚卸しの精度・やり方が違っているサインです。ただ数字を取っているだけでは、利益率は安定しません。よくある原因は、在庫を評価する単価が定まっていない、実際にはちゃんと数えられていない、新しく増えた在庫や副産物が対象範囲に入っていない、の3つです。合わないという事実を放置せず、原因を探す入口として使ってください。仕入単価が動いている局面では、評価単価の更新漏れが特に多く見られます。

工事業です。何から手をつけるべきですか?

売上と経費を工事ごとに分けることが出発点です。そのために必要なのが、支払先に工事ごとに請求書を分けてもらうこと。難しければ、請求書の鏡に工事ごとの合計額を記載してもらい、中身でどの工事か分かる状態にしてもらいます。依頼から浸透までに数ヶ月かかる前提で計画し、対応してもらえなかった先へは繰り返しお願いします。そのうえで、月次時点で完成していない工事の売上と原価を棚卸しする仕組みを作ります。

棚卸しの進め方は、税理士に相談できますか?

できます。ほとんどの会社は、棚卸しのやり方について財務的な助言を受けたことがありません。会計上の原価科目と社内の在庫管理の両方を見られる立場だからこそ、評価単価や対象範囲の設計は進めやすい領域です。ただし、税務申告のみを依頼している場合は対応範囲に含まれないこともあるため、月次でどこまで見てもらえるかを確認することをお勧めします。※対応範囲は契約内容によって異なるため、詳細は担当税理士にご相談ください。

まとめ|棚卸しは経理の作業ではなく、粗利管理の起点

棚卸しが定着し粗利率の改善を実感する現場の担当者
棚卸しが回り始めると、現場の改善努力が数字として見えるようになる

棚卸しをしないということは、いちばん大切な粗利を管理しないということです。商品販売業や工事業で毎月の棚卸しをしていないなら、毎月の粗利率は経営判断に使えない数字になっています。ただし、いきなり「毎月やろう」と始めても定着しません。

順番は、①管轄する上長と意義をすり合わせる ②金額の大きいところだけ四半期に1回 ③回数を増やす ④精度と方法を磨く ⑤毎月に乗せる。工事業のように仕掛がある業種では、売上と経費を工事ごとに分けること、そのために支払先に請求書を分けてもらうことが要になり、これは数ヶ月かかる前提で進めます。棚卸しがされていないなら、今日からでも始める価値があります。

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監修者 Actvision税理士法人 代表社員税理士 塩谷宣弘

監修者

塩谷 宣弘(Actvision税理士法人 代表社員税理士)

28歳で税理士試験に合格。KPMG税理士法人にてM&Aタックスアドバイザリーグループに2年、インターナショナルコーポレートタックス部に2年在籍し、M&A税務と国際税務に従事。32歳でActvisionグループを創業し、銀行融資支援に特化して開業5年で従業員35名規模の税理士法人へと成長させる。融資支援歴12年。船井総合研究所の創業融資セミナーで講師を務めるほか、信用金庫の勉強会で創業融資の実態を講演。自社の組織課題と再建を経験し、マネジメント改革で離職率・組織力・営業力を回復させた実績を持つ。現在は「中小企業経営者の唯一無二のパートナーになる」を理念に、顧問先200社を支える税理士法人を母体として、2年で20社以上のコンサルティング契約・延べ70社の事業計画策定に携わり、理念経営・ビジネスモデル策定・経営管理・人事戦略・財務戦略を横断する中小企業特化のコンサルティングを提供している。(実績数値は2026年8月時点)

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最終更新:2026年9月